疑問を抱きながら あたし達は車に乗り込んだ。 「…なぁ。」 あいつがいきなり口を開いた。 「何?」 「お前の母さんって、 どうしてんの?」 「あたしの…お母さんは… 居ないよ。」 「…居ないって?」 「…事故で死んじゃった。 あたしが5歳の時に。」 「…なんか悪いこと聞いたな。 ごめん。」 「ううん。気にしてないの。 もう10年以上経っちゃってるし。」 あいつの口から初めて“ごめん”って聞いた… ちょっと焦ったじゃん。