婆ちゃんの恋物語

「お爺ちゃん、どないですか。」

「お医者さんが、一人しか居てはれへんから、容態どないなんか、わからへんねん。
うちの火傷の処置は看護婦さんがしはったし、看護婦さんが、今日、軍医さん来たら、早めにお爺ちゃんを見て貰えるようにしてくれてるんやけど。まだ見えてないわ。」

「うちらも、付き添うわ。」

「あんたら、仕事は、どないなりましたん。」

お母さんが、お爺ちゃんの上着を脱がせて、寝間着の浴衣に替えながら、聞きはったから、昨日から今日までの有った事を息つく間もなく、喋ってた。
流石に、誠さんの話は深くよう話さなかったけど。

靖ちゃんは、横で頷いてるだけで、心、ここに在らずやったんかなあ。

腕時計ばかり見てたから。

「うちとお婆ちゃん、お爺ちゃん見なあかんから、家に戻ってられへんわ。あんたら、集積所にいかなあかんから、家にかえらなあかんな。」

「うちらも、此処から、通うたらあかんの?。」

「寝る場所もないで、見てみ、この状態やから。あんたら、昨日集積所で、寝たん。」

「うん、事務所で、恐かったけど。毛布や、火鉢貸してくれはったから、」

「家で、二人で寝起きするんも、心配やなあ。」