婆ちゃんの恋物語

渡廊下を渡って、病棟らしい場所についても、

人の数は、減らず、廊下にも、ベットが、並べてあった。重傷患者だけ、ベッドをあてがわれてる状態は、見てとれてん。
「爺ちゃん、麻子が靖ちゃんと戻ったで、聞こえてるかあ。」

廊下の隅の移動用のベッドのお爺ちゃんは、眠ってたわ。
廊下が薄暗過ぎて、顔色がわからへんけど、なんや、土色に見えるんは、窓から入る薄い光の加減なんやろかあ。


「麻子〜。靖ちゃん。」
松葉杖を付いてお母さんの声が、響いてん。

「お母さん、大丈夫なん。」

「おばちゃん、」

1日会えなかっただけやのに、お母さん見たら、涙が出て来てん。

「これ、泣いたらあかん。お国の仕事してる人が、だらしないって、見られまっせ。」