婆ちゃんの恋物語

ただ、海岸沿いが、壊滅やって、歩いて逃げて来た人が、言うてるんを、表門で作業中に 聞いたわ。」

「家、大丈夫やろかあ。」

「明日、トラックで送って貰うんやなあ。僕も、ついて行くように言われてるから、心配やろけど、今夜は、ゆっくり寝てなあ。ほな、また明日 。」

巧君が、出て行って、うちは、体が寒いのもあってんけど、なんか、現実逃避してた自分の前に、現実って言う物が、現れたみたいで、恐くて、震えが止まらへんかってん。

「まだ、寒い?」

「なんか、恐くて、今頃家の事が、心配で心配で、昼間は、なんで、あんなに、平気でおれたんやろう。」

「現実を受け止めたくなかったんやで、うちも、時間が経っていくうちに、不安になって来てる、直後は、バタバタで頭回ってなかったんやわ。」
寝ようと二人とも、何度も寝返りうったりしながら、朝を迎えてしまってん。