小豆を炊いたのを、てんこ盛り小皿に載せてあってん。
小豆なんて、手に入らへんたまに、田舎がある人が、出征祝いに炊いて、隣近所にに、赤飯配るぐらい、最近それすら、見ないのに、湯気の上がった、小豆の匂いが、甘い懐かしい、優しい。
自然に笑顔になってたわ。
集団移入労務者として、強制労働、捕虜と変わらぬ扱いを受けながら、集積所の奥に、バラックを建てて、暮らしてる家族が三、四家族居たんよ。
巧と呼ばれてる、うちらと歳もかわらない男子は、少尉が、弟のように可愛がってたから、逆に、少尉がいないとこで、学徒の男子に、よう虐められてたわ。
「 折角やから、ほら、あんたらも、よばれたらええわ。」
小豆を手のひらに、二十粒程貰ろて、一粒づつ、飴食べるみたいに、麻ちゃんと顔見合わせながら、食べてん。
「巧は、17歳やったなあ。」
「18になった。赤紙くるかもしれへん。」
「此処に居ったら、大丈夫や、僕が、行かへんように、上司に言うたる。」
「天満の翠兄ちゃん、連れていかれたんやで。」
二人は、小豆を頬張りながら、家族のように話こんでた。
「少尉さんは、なんや、キリッとしてて、見てるだけで、恥ずかしなるわ。」
小豆なんて、手に入らへんたまに、田舎がある人が、出征祝いに炊いて、隣近所にに、赤飯配るぐらい、最近それすら、見ないのに、湯気の上がった、小豆の匂いが、甘い懐かしい、優しい。
自然に笑顔になってたわ。
集団移入労務者として、強制労働、捕虜と変わらぬ扱いを受けながら、集積所の奥に、バラックを建てて、暮らしてる家族が三、四家族居たんよ。
巧と呼ばれてる、うちらと歳もかわらない男子は、少尉が、弟のように可愛がってたから、逆に、少尉がいないとこで、学徒の男子に、よう虐められてたわ。
「 折角やから、ほら、あんたらも、よばれたらええわ。」
小豆を手のひらに、二十粒程貰ろて、一粒づつ、飴食べるみたいに、麻ちゃんと顔見合わせながら、食べてん。
「巧は、17歳やったなあ。」
「18になった。赤紙くるかもしれへん。」
「此処に居ったら、大丈夫や、僕が、行かへんように、上司に言うたる。」
「天満の翠兄ちゃん、連れていかれたんやで。」
二人は、小豆を頬張りながら、家族のように話こんでた。
「少尉さんは、なんや、キリッとしてて、見てるだけで、恥ずかしなるわ。」

