次の日、学園祭二日目。
俺は午前中は学校、午後からは千種茜の家に向かうことになっていた。
例の任務を果たすために──。
「ここが、千種さんの家か」
平屋で日本古風で立派な屋敷。今では驚きも半減してきてる自分が居て……。
『金持ち』という環境に慣れているのかと思うとオソロシくもなる。
「行くわよ、千晶」
「望むところだ!」
敢えて言っておくが別にこれから悪魔や魔女を倒しに行くわけではない。
「言い忘れてたけど私のことは『茜』でいいから。あくまでも自然にね」
「りょ、了解っ」
既に自然体ではなくなっている俺は、これから先茜の恋人を演じきれるのだろうか……?
俺たちの目的は『茜の婚約を破棄させる』こと……そのことだけは忘れてはいけないと心に誓った。
心を落ち着かせ、玄関に入るとお手伝いさんらしき女性が迎えてくれた。
「茜お嬢様、お帰りなさいませ」
直ぐさま女性の鋭い視線が俺を捕らえる。
「こちらは?」
「初めまして、波柴千晶と申します」
「……あの、これは一体」
女性はどう俺を扱ったらいいのか分からず、混乱している様子が伺えた。
「お父様とお母様に伝えて」
「?」
「この方は私の恋人です!と」
「おっお嬢様っ!何をおっしゃいますか!?」
「嘘じゃない。これは真実よ、若葉」
若葉と呼ばれた女性はあたふたしながら奥の部屋に消えて行った。
いよいよ……だ。
俺は午前中は学校、午後からは千種茜の家に向かうことになっていた。
例の任務を果たすために──。
「ここが、千種さんの家か」
平屋で日本古風で立派な屋敷。今では驚きも半減してきてる自分が居て……。
『金持ち』という環境に慣れているのかと思うとオソロシくもなる。
「行くわよ、千晶」
「望むところだ!」
敢えて言っておくが別にこれから悪魔や魔女を倒しに行くわけではない。
「言い忘れてたけど私のことは『茜』でいいから。あくまでも自然にね」
「りょ、了解っ」
既に自然体ではなくなっている俺は、これから先茜の恋人を演じきれるのだろうか……?
俺たちの目的は『茜の婚約を破棄させる』こと……そのことだけは忘れてはいけないと心に誓った。
心を落ち着かせ、玄関に入るとお手伝いさんらしき女性が迎えてくれた。
「茜お嬢様、お帰りなさいませ」
直ぐさま女性の鋭い視線が俺を捕らえる。
「こちらは?」
「初めまして、波柴千晶と申します」
「……あの、これは一体」
女性はどう俺を扱ったらいいのか分からず、混乱している様子が伺えた。
「お父様とお母様に伝えて」
「?」
「この方は私の恋人です!と」
「おっお嬢様っ!何をおっしゃいますか!?」
「嘘じゃない。これは真実よ、若葉」
若葉と呼ばれた女性はあたふたしながら奥の部屋に消えて行った。
いよいよ……だ。