あなただけを

 


「た~く~ま~」

「わ!!真か」

いきなり後ろから羽交い締めにされた。

「おまえも彼女とか作っちゃうのか!?俺たちを裏切っちゃうのか!?」


「何だよ大貴まで笑」

「拓真があんな風に女と話すの初めて見た~」

「俺たち、おまえが笑ったのでびっくりだよ。」


「はは・・」





そんなの俺が一番びっくりしてる。
あんな風に女の人と話したのは久しぶりだった。
あの先輩達は俺とほんとに友達みたいに接してくれて、だからか俺も話しやすくて。
媚びてるんじゃない元気な声がすごく心地よかった。


「ってか小夜先輩、かわいかったな。」

「大貴はそっち派~?おれはね、いくちゃん。めちゃ美人さんじゃん!!」

「なに話進めてんだよ!」

「拓真はどっち~?」

「さぁね」

「意地悪~」

「ほら教室戻れ?先生来ちゃったよ?」

「は~い。」