「………………」 とりあえず歩こう、ここでボケェーと呆けていても仕方がない。 「………このコートどうしよう」 てか何でコレ私の上に掛けてあったわけ?親切な人が風邪ひかないように掛けてくれたとか?………ついでに起こしてくれれば良かったのに。 「……持ってきますか」 コートは肩に掛けると足元スレスレ、背の高い人が着てたんだ、と改めて思う。 「よしっ、行くか!!」 『何処に?』 いきなり上から声が落ちてきた。ビクッと身体が跳ねる。