意識がハッキリすると私は飛び起きた。バサッと身体に乗っていたコートが落ちる。茫然と辺りを見渡すとそこは森の様だった。 「こ、ここ…ドコ?」 緑の香りが広がる中、ふと薔薇の香りがした。それは先ほど落ちたコートから香っている。それより、私はこのコートに見覚えがない、と言うのも私はこんな目に痛そうなコートなど持ってはいない。 (コレ…誰の…?)