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今は昼休み。
私は屋上にいる。

「ん~~!気持ちいい~!」
私は青く清んだ空に
向かって歌った…

[あの日君と出会って
入なければ、今の僕は
ここにいない…
あの日君は闇の中から
僕を光の世界に
戻してくれたね……
ありがとう…
感謝してもしきれない
くらいの恩…

あの時君を離さないと
誓ったのに……
僕は…
守れなかったね…

きっと弱虫な僕だから
君を取り返せなかった…
君が僕から離れて行った
理由も知らずに……

でも、今はもう君が
居なくても歩いて行ける…

僕を救ってくれて
ありがとう…
もう僕は振向かない…
君の為にも僕のためにも…

もう…振向かずに歩いて
行く…

さようなら…]

「はぁ~~…」

「す…げっ…」

「へっ!?」

そこには陸の
姿があった…
陸…?泣いてる…?

「大丈夫…?陸…」

「あっ…ごめん…
なんか感動した…
美歌の歌声きれいだし…
詞もめっちゃっよかった…」
ドキンッ…
何…?
『歌声きれい』なんて
何回も言われた事
あるのに…
なんか陸の言葉が
特別に聞こえる……

「あっ…ありがとう…」

「美歌…歌の部に
入ってくんね?」

「歌…の部…?」
ここの学校にもあるん
だ……。

「あぁ…でも廃部
仕掛けてる…俺…
歌が好きだから
潰したくないんだ…」

「陸…」
さっき見た表情とは
比べもにならないくらいの
真剣な瞳だった……

「うん!入る!」