「でも、私なぉは堂々と宮田君の事好きでいて、良いと思う。」


私は静かになぉの方を見て言う。
なぉの笑顔をみて、本当にそう思った。


だって、誰を好きになるのかなんてのは自由だし。
素敵な事なのに、故意の心無い言葉や仕打ちをされなきゃいけないのよ。

だいたい、そんなやり方で相手の気持が、自分に向くとでも思っているのかな。

だんだん怒りが込み上げてくる。


でも…私が怒った所で、どうなる訳でも無く、むしろ悪化するだけで
なぉの為にはならない。

私は、必死に怒りを沈める。


「気になるなら、学校では暫く押さえ目にしてさ、部活の後とか、メールとか電話とかでだったら真由子達には見られないし!」



私がそう言うと、



「ありがとう。実莉。
ちょっと元気出た。」



そう言ってなぉは笑う。
まだ引っ掛かる笑顔で。



でも当然だよね。


いきなりあんな風に言われて、普通でいれるはずが無い。