僕を乗せて 電車は夜の闇の中を揺れながら走っている。

時々現れては流れ 消えていく明かり。

あの明かりの中では恋人達や家族が幸福な時を過ごしているのだろう。

いつもは空っぽな心で見ているのに 今日は少し違っていた。

僕の心にも小さな明かりが灯ったからかもしれない。


僕はついさっき美月にデートを申し込んだのだ。


映画に行こうと。