白い月〜destiny〜

「内山。俺だけど。お前今どこにいる?」

宮川の声は いつもと違う張り詰めた緊張感を伴っていた。


僕は心臓の動きが早くなるのを感じた。


「まだ家の近くの駅だけど…何か…あったの?」



宮川は電話の向こうで唾を飲み込んだ。

「落ち着いて聞いてくれ。」

「なんだよ。何かあるなら早く言ってくれよ。」

僕はだんだん息苦しくなってきた。


嫌な予感…。


手のひらがじっとりと汗ばんできた。


宮川の次の言葉で 僕はこの悪い予感が当たったことを知る。