白い月〜destiny〜

話し合いの結果 送別会は優が出発する二日前に行うことに決まった。

出発前の二日間は仕事が休みになる という涼太の情報があったからだった。

場所は 私と優が初めて出会った店だ。

正確には三回目に出会った場所だけど。


私はあの店で 優の名前を初めて知った。

「あの人」から「優」に変わった瞬間だった。

携帯のメールの履歴を見たが 優からきた一番最初のメールはもう消えていた。


私は急に寂しくなった。


部屋の電気をつけたままベッドに潜り 枕を抱きしめて泣いた。

枕はグッショリと濡れたが それでも涙は止まらずに あとからあとから流れ続けた。