優がニューヨークへ旅立つまで あと一週間となってしまった。

ここ数日は しておかなくてはならない仕事があるらしく 優はほとんど会社に缶詰状態だった。

朝のおはようと 夜のおやすみ そして仕事の合間にくれるメールだけが私達の会話だった。

私といえば 普通に仕事をして 時々優にメールを送って はたから見ればいつもと大して変わりない生活を送っていた。


もうすぐ優がいなくなるのに まだ実感がわかない。

「本当に会えなくなるんだよ」

誰かが耳元で囁くが それを信じていない自分がいた。

現実逃避なのかもしれない。


だから…。


優と一緒にいたい…その本音は言えないままだった。