白い月〜destiny〜

……。

わさびがツーンと鼻にきた。

私は実はわさびが苦手だった。

でもせっかく優の御両親が頼んでくれたんだから。

優が私の顔を覗いて言った。

「あっ 美月。大丈夫?」

私の目には涙が溜まっていた。

「大丈夫。すごく美味しいよ。」


三人は私の顔をジーッと見ている。

すると涙がポロッと落ちた。


「……ぷっ…。美月子供みたいだね。」

優が大笑いすると 御両親もつられて笑い出した。


「そうか。美月さんはわさびが苦手だったか。母さんと同じだな。」

お義父さんが笑うとお義母さんも笑った。

「無理しなくていいのよ。私のにはわさびが入ってないか半分こしましょう。」