白い月〜destiny〜

美月は目を大きく見開いた。

「優…知ってたの…?」

「知ってたさ。この前宮川とここに来た時にね。そのことも聞いたんだ。」

美月は信じられないというような顔をした。

「黙っててごめんなさい 優。私…」

僕は美月の口に人差し指をそっと押し当てた。

「誰だって…人に言えない傷があるものだよ。多かれ少なかれね。僕はその話を聞いて驚いたけど 君を嫌いにはならなかったし 愛してる気持ちに変わりはなかった。」

「優…。」

「僕は美月のすべてを愛している。わかるね?」

美月は小さく頷くとポロポロと涙を流した。

「優。私も優の全部を愛してる!」


美月は僕の胸に顔をつけてしばらく泣いた。

その間僕は美月の髪をそっと撫で続けたのだった。