白い月〜destiny〜

「ずっと言えなかった言葉。夢の中の両親に言えたんだ。僕に命を与えてくれてありがとう 僕は幸せになる努力をするよ 今の父と母を大切にするよ って。」

「うん。」

「二人とも笑ってた。」

僕は額に置かれた美月の手をとった。

「やっと心が軽くなったよ。美月のおかげかな。」

「私の?」

美月はちょっと驚いた顔をした。

「千鶴先生が言ってたんだ。人を愛したり愛されることで いろんな傷が癒されるって。美月といるとね…僕の傷はどんどん癒されていくんだよ。」


そう。


僕は美月といると素直になれるんだ。

「僕の心に羽があるみたいにね。」