僕は夢を見ていた。



父と母が遠くから僕を見ている。

僕は二人に近づこうと必死に走ったけれど いっこうに距離は縮まない。

二人の姿がだんだん薄くなっていく。


待って!言いたいことがあるんだ!


僕は肩で息をしながら声を振り絞った。

その瞬間…眩しい光が僕を包み 父と母がすぐ近くに現れた。

僕の言葉を聞いて 父は力強く頷き 母は優しく微笑んだ。



―それでいいんだ。



―それでいいのよ。



二人はそう言うと光と共に消えていった。



―私達はいつまでもあなたを見守っているから…。


そう言い残して…。