白い月〜destiny〜

「ねぇ 優。あの時…駅で初めて会った時 どうして助けてくれたの?」

それは僕にもわからなかった。

あの時の女性と 今こうしてこの場所にいるなんて。


「どうしてだろうね。僕も不思議でならないよ。いつもなら…きっと通り過ぎていただろうから。」

「ふーん。そうなんだ。」

「多分…僕の磁石と美月の磁石はくっつくようになっていてね。今までの人生の中で一番接近したのがあの時だった…だから吸い寄せられたんじゃないかな。」


「そっか。だから…。」

「だから?」

美月はいたずらっぽく笑って言った。