白い月〜destiny〜

冷たい風が美月の髪を揺らした。


「寒くない?」

僕が聞くと 美月はこの一枚の絵画から目を離さずに答えた。

「全然。ずっと見ていたいくらい。」


僕は そんな美月の横顔をずっと見ていたいと思った。

僕はもう一度美月に聞いた。

「本当に寒くない?」

美月は僕をチラッと見て答えた。

「やっぱり ちょっと寒いかな。」


僕はそっと美月の肩を引き寄せた。

美月も僕の腕に頭をもたせ掛けてきた。


フワリと甘い香がした。