白い月〜destiny〜

その瞬間 急に目の前が開けた。


「わぁ…。」


車をちょっとしたスペースに停めて 僕達は外に出た。

僕達のいる場所は高台になっていて その前に広がるものは…。


僕達の前には大きな海と空と水平線が…ただそれだけがあった。


「すごい…。」

美月は言葉を失っているようだった。


水平線に向かう 小さな船。

その船はぼやけて 今にも海と同化しそうだった。


「キレイ…。まるで風景画を見てるみたい。」

「本当だね。時間が止まってるみたいだ。」


美月はこの風景に心から感動しているようだった。