アパートに着いて鞄からキーホルダーを取り出し鍵を開けると部屋の中は暗くて肌寒かった。

いつも通りスイッチを押して電気をつけるとヤカンを火にかけた。

ソファーに座って短い溜め息をつく。


いつも…

部屋に帰った時に感じる孤独。

一人の寂しさ。

もし私がここで一人で死んでも泣いてくれる人は誰もいないかもしれない。

お湯が沸いた事を知らせる大きな音ではっと我に返った瞬間 携帯の着信メロディーが鳴った。


相手は晴香だった。