弟の手に、見た目だけでなく、こんな素敵機能があったとは……。

今後は注意しよう。
鈴璃は、心のメモに注意書きを足す。

「ごめん、すぐに夕飯の準備をするから」

「それだったら、お姉ちゃんが寝ている間にお母さんが帰ってきたから大丈夫だよ」

鈴璃が耳をすますと、たしかにキッチンから調理中の音。

「お母さん、お姉ちゃんが寝てるのを見て笑ってた」

「うっ」

恥ずかしい姿を見られたかもしれない。

恥ずかしいだけならいいが、絶対言えない空気を垂れ流しにしていなかっただろうか?