「じゃあ、お姉ちゃんも今日はゆっくりできるね」 気遣われる言葉。 鈴璃は、学校で起こした騒動の疲れがとけ、目元が緩む。 両手が持っている鞄を放棄して、弟を抱っこしようと動きかけたのはしっかり抑えた。 「着替えてくる」 「うん」 これ以上、廊下で話を続けるのも変なので、鈴璃は自分の部屋へ向かう。 「お姉ちゃん?」 部屋にあがる階段の途中で弟に呼びとめられた。 「なに?」 振りかえる。 「ちょっと疲れてる?」