身長差15センチの関係 3

3-3 鈴璃帰宅

という顛末で、
ここ最近で一番密度が高かった日。

「ただいま」

帰宅した鈴璃は、それでも真っ直ぐに背筋をのばして自宅に戻ってきた。

「お姉ちゃん、おかえりー」

ちょうど居間にいたらしい弟が、廊下にぴょこっと顔を出して迎えてくれる。

「今日は、いつもよりちょっと早いね」

「そうね。どちらかと言うと、このごろが遅すぎだけど」

玄関で靴を脱いだ鈴璃は、弟が顔をひっこめる前にそそそっと近づく。

「今日も買い物行く?」

身長差のぶんだけ見上げてくる弟の目線に、鈴璃は意識してあわせ、

続けてその頭をなでくりしそうな自分を感じながら答える。

「大丈夫、今日は行かなくてもいい」