男子達がたむろう教室の外から、切羽詰った駆け音と、鈴璃を呼ぶ声が響いた。 「草壁先輩いますかーっ?助けてくださーい!」 「誰っ?」 ドアの内側で警戒する門番。 その質問にドアの外から答えが来るよりも早く、鈴璃は女生徒達の囲みをすっとぬけた。 「生徒会の子。実行委員をしてる一年生」 凛とした声で女生徒達に説明し、ドアへ歩いていく。 「今、いくわ」 生徒会役員の鈴璃に戻り、ピンと伸ばした背筋で。 「く、草壁さん、今は……」 真っ赤なリボンを頭の左右に着けた、ツインテールの頭で。