「ごまかしちゃダメ?」 媚びる、女生徒。 「駄目、絶対に」 鈴璃はメイド服を凛と輝かせて言った。 「うー」 女生徒達は、残念がる。 寄付うんぬんは例年受け継がれている取り決めだ。 一般生徒達には不評だが、 こうしないと収益の見込めない部門、演劇やら演奏やらに参加するクラスが激減する。 もちろん過去には、ちょろまかす輩も少なからずいたが、このクラスには鈴璃がいる。 その鈴璃を中心にすえて企画する以上、1円のごまかしも期待しようがない。