身長差15センチの関係 3


「え、うん」

言われたまま顔をあげなおす鈴璃。

「私達のほうに、ゆっくり歩いてきて。ゆっくりだよ」

指示され、足を進める。
一歩、二歩、三歩。

ゆれる少し長めのスカート。
背筋は無意識でいつもどおり真っ直ぐ。

「はい、とまって。そこでくるっと回転。右回り」

言われて弧を描くと、
衣装のスカートと鈴璃の黒髪が、

ひとつの芸術になってふわっと浮いた。

「そこで、いらっしゃいませ、お嬢様」
「……いらっしゃいませ、お嬢様」

「はうう~」

ばたばたばたばた~っ。

日常では絶対聞けない鈴璃の声を聞き、
女子生徒の半分が至福で倒れた。