3-1 鈴璃強奪

日は進み、
祭りの開催まで一週間を切った。

そこから一日一日。
誰も彼もが愉しく忙しく走りまわり、学校全体が文化祭色に塗り変わり始める。

例えば、
校門をくぐるたびに形作られていくアーチ。

廊下を歩くたびに増えていく、
各教室で使われる予定の機材の山。

体育館では、歌、演劇、演舞、弁論の練習者が、分単位で組まれた練習時間をぎりぎりまで使い合い、

校舎裏では、
絵心のある者達がこぞって参加する立て看の製作が、絵の具のにおいを漂わせる。