高志ぐらいの年頃は、 こんなふうに姉と会話する姿を見られるの嫌い始めるというが、 高志にそんな気配は全くない。 姉に代わって買い物かごを持ち、 鈴璃がおこなう文化祭について興味深々で話しかけてくる。 「お店のメニューはもう決まってるの?」 「まだ話し合っているところ。紅茶とジュースとコーヒーぐらいは決まっているけどね」 「コーヒーかあ」 高志が鈴璃の答えに何か考える。 鈴璃を見上げていた目がそれて、つぶやく。 「大人の人は、やっぱりコーヒーの方が嬉しいのかなぁ……」