「この学校の、風物だな」 「うん」 上級生達は、話しながら廊下の向こうへと消えていく。 高志はしばらく、角野がずぶぬれになってグランドを駆けまわるのを眺め、 それからゆっくりと時間をかけて準備室にむかった。 (先生は、どうしてあんなに怒ってたのだろう?) 考え続ける高志。 どちらにしても、弓倉が準備室に来るのはまだ先になりそうだった。