「というか、お兄が早く車を買って迎えに来れるようになってよ。自転車も積める車で、アホって何?可愛い妹を守りたくないの?」 香織は、言いたいことを遠慮なく続けている。 鈴璃は、それを聞きながら小さく笑んだ。 「鈴璃は電話しなくていいの?」 鈴璃の視線を感じ、携帯との会話を続けながら、目をむける香織。 「そうね」 鈴璃は返答して、自分の携帯を出した。 ボタンを押し、呼び出し音が鳴る部分を耳に近づける。 「はい、草壁です」 弟が出た。