鈴璃と香織は、ここからは自転車。 互いの家は駅を挟んで反対方向にあるので、駐輪場まで歩けばお別れである。 「さて、鈴璃とお別れする前に家に電話しときますか」 陽気に携帯電話を取り出した香織。 自宅の番号を呼び出し、話し始める。 「あっ、お兄ぃ?今、駅についたから。なによ、お兄じゃなくて、お父さんとお母さんの為に電話してるの。夜おそくなるときは連絡しろって言われてるのっ、基本料金と引き換えに」 にぎやかな家族どうしでの会話。