ほいっ。 鈴璃の写真を持った手と反対側の手に渡されるディスク。 「じゃあ、私はひとっ走りしてくるっ。鈴璃はその間に仕事を進めておいてね。今日も一緒に帰るから最後まで付き合ってあげる」 にっと笑う香織。 鈴璃が礼を言う前に、 しゅたっと片手を上げて廊下へ出て行く。 「……もう」 残され、写真を見つめ直す鈴璃。 さっきまでの不機嫌さは、すっかり消えた。