そこに雷がまたなる。

ガーーーンッ!!
近い。

弓倉は、そそそっとベッドから自分のまくらを引き寄せた。

高志の手の代わりに両手で抱きしめる。
嫌な季節だ。

弓倉も、もとからこんな雷嫌いだったわけではない。

高校生のとき、
偶然、

グランドに雷が落ちたのを間近な渡り廊下から見たせいだ。

圧倒的な力。
光と音。

幸いグランドには誰もいなかったが、

痺れた空気と、
微かに浮き上がった自分の髪が、

制服に包まれた弓倉の身体の芯まで恐怖を植えた。

以来、激しい雷の日には、
妹と一緒の布団で寝たこともあるぐらい。