「まったく……、」 外では、まだ鳴っている雷。 響く音に隠して鈴璃はつぶやいた。 「だれが余計なことを教えてるの?」 「え、なに?」 高志には聞こえない。 代わりに、 鈴璃は、弟に聞こえるように言ってやった。 「来てくれてありがとう。高志のおかげで助かった」 「そう?」 それを聞いた高志の照れた、そして誇らしげな顔。 鈴璃を見上げて、満面の笑みを見せてくれる。