鈴璃は、言葉を発せずに高志の腕をとる。
両手でライトを構えさせ、必要な位置に固定させた。
「しばらく、そうしてて」
髪のシャンプーを流しに戻っていく鈴璃。
「う、うんっ」
高志は、おろした目蓋をぷるぷるさせながら返事をした。
ザーーッ。
鈴璃は、律儀すぎる弟がくれる灯りの真ん中で水流を浴び始めた。
「ねえ、お姉ちゃん、まだぁ?」
「リンスもしたいから、もう少し」
鈴璃のその日の入浴時間は、
いつもよりほんの少し長かった。
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