ガラス越しの灯りでは、まだ周囲がよく見えない。
「うん、じゃあちょっとだけ開けるよ」
高志はガラス戸をそーーーっと開けた。
自分の身体は入れずに、手にしたライトだけを戸の隙間から差し込む。
一気に明るくなる浴室。
だけど、
あてずっぽうで向けられる高志のライトは、鈴璃がいる場所からは大きく外れ、全く関係ない壁を照らしている。
「もうちょっと下に向けて、それで右」
鈴璃は指示する。
が、ライトは鈴璃の身体を行き過ぎて、やっぱり遠くの壁を照らした。
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