「いるわよ」 鈴璃がいつもと変わらぬ声で答えると、高志は窓越しでも分かるほど、ほっと安堵の息をついた。 「良かった~」 暗闇にとり残された鈴璃を心配して、ライトをつかんで一番に様子を見にきてくれたらしい。 「そこ真っ暗でしょう?大丈夫?」 ついでに言うと、高志の頭には停電で怯える姉の姿があったよう。 こういうピンチのとき、鈴璃の弟は男の子として頑張ろうとする傾向がある。 「大丈夫だけど灯りを入れて。そこからだと暗い」 その期待にどう答えるかは置いておいて、鈴璃は冷静に返答した。