「笑わないですよ」

「そうか」
「そうですよ」

「もし私が君で、震えているのが君だったら、私は笑うと思うぞ。かなり本気で思いきりな」

「それは、先生が意地悪だからです」
「むう」

「それよりもほら、怖いなら素直に怖がっていてください。肩、震えてますよ」

「観察するな。くそう、だから早く帰れと言ったんだ。君が私の言うことを聞かないから、こんなところを見せてしまった」

「僕に帰らせたがっていたのは、このせいだったんですね」

「……」