「でも、少し爪が食い込んでるし」 「後で撫でてやる、文句を言うな」 「じゃあ、我慢します」 「うむ」 「それで、先生」 高志は、弓倉の手の震えを意識する。 響く雨音。 また遠くで雷。 高志は、弓倉がもっと掴みやすいように手を近づける。 そして訊ねた。 「先生は、雷が怖いんですね?」 「笑ってもいいぞ」 答えた弓倉は爪だけは浮かし、さらに強く高志の手を握った。