「行く?」 弟が首を傾げて訊く。 鈴璃は、両親を見た。 「私達は外で待っているから行ってらっしゃい」 「そうだな」 両親はパスらしい。 まあ、もともと入る気がなかったから、 今まで手付かずになっていたのだろう。 お化けやしきというのは、子持ちの大人にとっては、入りづらいものかもしれない。 「じゃあ、ふたりで行こうか」 「うん」 両親とは逆に、 弟は、はりきって返事をする。 入りたかったらしい。