一同の先頭で、鈴璃は香織に訊く。 「香織は、午後はどうするの?」 「学校中を全部まわる」 香織は、はつらつと答えた。 企画書のやりとりで、 あちこちに知り合いができたという。 「お兄さん達は?」 「来るのは明日。うちの店に食べにくる予定だけど、ただの馬鹿兄貴だから期待しないでね」 香織は、にひひっと笑った。 言葉とは異なり、 見に来てもらえるのが楽しみの様子だ。 「鈴璃は、着替え終わったら弟君に直行でしょう?」 「ええ、待たせる理由はないから」 鈴璃は、しゃんと答えた。