大真面目に心配している弓倉に、高志は答えた。 まったくもって信用がない。 「先生、僕、そんなに頼りないですか?」 「うむ」 全肯定。 「ぶー」 拗ねた。 拗ね口に加えて、頬が膨らみ、弓倉を見る目が上目使いになる。 「このくらいの雨だったら、小学生のときから平気で通ってますっ」 それを見下ろして、弓倉は吹きだした。 今の高志のよりもさらに幼い時の高志を想像して、椅子に背もたれる。 「はははっ、小学生時代の君を知らないのがとても残念だ」