身長差15センチの関係 3


「いいから話しなさい。悪いようにはしないから」

何度も言うが、店は現在とても忙しい。
こうやって、ふたりで内緒話をしている暇はない。

鈴璃は無駄話をうちきるために、ありのままを話した。

「……午後、私の時間が空いたら、一緒に見てまわろうって約束してあるだけよ」

「高志君と?」
「家族と」

「ふむ」

香織は、何かを考える。
鈴璃は、すぐにウエイトレスの仕事に戻った。

少し間さぼった分、かつかつ動いて取り返し始める。

やはり鈴璃目当ての客は多かったらしく、それでまた店は活気づいた。

「これでまた品切れの時間が早まりそうね」

香織は、つぶやいた。
鈴璃の空き時間もその分増えるだろう。

「これは親友として、ひとつ思い出をつくってやらねば……」