4-4 鈴璃と約束 「また後でね」 鈴璃は、テーブルを離れた。 最初から観察している人間だけには微かに分かる、幸せステップで調理場前に戻る。 香織も、タイミングをあわせて戻ってきた。 「どうだった?」 「おいしいって」 「それは何より」 「ええ」 「で、また後でねって何?」 「聞いてたの?」 「聞いてた。そして、この後の予定なんか聞いてない」 「話してないもの」 「話しなさい」 「なんで命令?」 ひそひそ会話するふたり。