「混んでるから、バタバタしていてごめん」
鈴璃は家族に言う。
店内は、ゆっくりしていってとは言えない状況。
「暇で寂しいよりは、いいじゃない」
「ああ」
母父は、鈴璃に言った。
弟は、すでにスパゲティを食べ始めている。
「どう?」
訊く、鈴璃。
「おいしいよ」
弟は食べながら答えた。
「私が作ったのじゃないけどね」
店のつくりを見れば分かると思うが、
一応言っておく。
「でも、美味しいよ」
弟は、もう一度言ってくれた。
鈴璃は、これで満足。
周囲のクラスメイトは、
やはりこの様子をうかがって笑っている。


