身長差15センチの関係 3


鈴璃は気を入れ直した。

状況を楽しまれているのは別にして、家族の注文を聞いてから、それにかかりっきりになってしまった。

その分、香織が何往復もしていたように他のみんなが働いている。

調理場では、
鈴璃が立ちんぼになっている間、

力自慢の男子がひとつのフライパンに何人分もの食材を入れて、

汗をふきながら腕をふるい続けていた。

鈴璃は皆の働きに感謝して、家族のところに品を届けにいく。

「お待たせ」
「きた」

鈴璃が順にテーブルに品を並べていくのを、弟は両手を膝に乗せて見守っている。