身長差15センチの関係 3


香織は、また鈴璃が反応するまえに注文をとりに出て行く。

鈴璃は、小さく頭をふって弟を見た。

弟は、クラスメイトから笑顔をもらうたびに嬉しそうにしている。

普段はとても照れ屋なのに……。

姉の友達だと分かっているから、落ち着いているのだろうか?

もしかして、年上の……。

「草壁さん、弟君達のテーブルの品がそろったよ」

「……!」

鈴璃は、調理場から声をかけられて、思考を区切った。

用意されたスパゲティーセットを前に、もう一回頭をふる。

「どうしたの?なにか間違い?」

「ううん、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてた」

鈴璃の様子に、調理場の仲間は小さく笑った。

こっちも楽しんでいる。